10月度は、第1橋を構成しているうち最も重要な「主桁」と呼ばれる鋼材の既設塗膜の剥離、錆のせいで痩せた主桁の金属パテ補修、新しい塗装をきちんと主桁に馴染ませるための2種ケレン・素地調整、ハダカになった鋼材を錆にくくさせる防錆前処理剤の塗布、防錆塗装、中塗り、上塗り、以上の作業を夜間に行い、本工事における夜間作業は全て完了しました。
11月は宮大工の工場で木材の加工を行い、11月下旬に木材の寿命を伸ばすため、群馬県にある防腐処理工場へ木材を運搬して、防腐処理を行う予定です。
来年の1月14日(火)から全面通行止めとさせていただいて本格的に橋の架け替え作業を行い、3月末までに橋の架け替え作業を全て完了させ、4月には、第2、第3橋に続いてピカピカになった第1橋が見られるようになります。引き続きまして皆様方の透かし橋補修工事に対する御理解、御協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。
写真上部:主桁下地処理(錆打ち)状況
写真下段:鋼材再塗装 上塗り状況
令和6年10月度
工事部 高橋
9月度は、いよいよ夜間作業にて第1橋に吊足場を設置し、既存の塗膜片の成分分析を行うため、試験用塗膜片の採取を行いました。
昔(昭和中期まで)の塗料についてですが、古くなった橋梁の架け替えは莫大な費用と時間が掛かるため、橋梁の劣化を少しでも遅らせるために防錆効果の高い「鉛」を含有した塗料を使用していたそうです。鉛はPCBや六価クロムと同じく有害物質ですので、鋼材の塗装を塗り替える場合、旧塗装を剥離する際に職人さんが鉛を吸い込んで被曝しないように、曝露防止対策をして作業する必要があります(現在は、有害物質を含まずに防錆効果が高い塗料があるので安心です)。
透かし橋第1橋の既設の鋼材塗装には鉛が含まれているかの判断をするために、試験用に剥離した塗膜片を試験機関へ提出して試験結果が出るまで、現場は一時休工となります。試験結果は9月末か10月初旬に出る予定となっているので、試験結果に沿った工法で夜間作業を再開します。
来年の4月には、第2、第3橋に続いてピカピカになった第1橋が見られるようになります。皆様方の透かし橋の補修工事に対する御理解、御協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。
写真上部:第1橋吊足場組立状況
写真下段:塗膜片採取状況(防護服、防毒マスク着用)
令和6年9月度
工事部 高橋
本工事は、日本三景松島の顔ともいえる、国の重要文化財「五大堂」へ渡るための、透かし橋と呼ばれている3つの橋を直す工事です。昨年度に、透かし構造となっている第2、第3橋を直し終えて発注者へ引き渡し済みですので、今年度は最も本土側に架かっている第1橋を直して令和7年3月末までに竣工する予定です。
工程についてですが、9月4日より、夜間作業にて橋の下部を構成している鋼材部を直して木材部の形状や寸法、構造等を調査し、工場で木材の加工及び防腐処理を行います。そして来年の1月14日からは橋を全面通行止めとさせていただいて、昼間作業で宮大工さんの手で木材部を全て解体し、新材で新しく組み立てる予定となっています。
ちなみに、第2、第3橋は透かし構造となっているのに、第1橋は普通の橋と同じような床板になっている理由についてですが、本土からお土産屋さんがある1つ目の島までは元々は陸続きだったものを、人の手で陸地を削り取って島にし、新たに橋を架けたということで、第1橋だけがルーツが違うために形状も違うものになっているそうです。
今年度も昨年度同様、皆様方の透かし橋の補修工事に対する御理解、御協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。
写真上部:工事看板再設置写真
写真下段:第1橋現況写真
令和6年8月度
工事部 高橋
3月度は、第2橋の木材部組立及び塗装を行い、第2橋、第3橋ともに補修作業が完了しました。4月上旬に第2橋、第3橋の完成検査を経て、4月10日にバリケードを撤去して、11日から一般開放されることとなります。なお、工事は9月まで一旦休工となります。
残る第1橋につきましては、9月から夜間作業にて工事を再開し、来年の令和7年1月14日から3月末まで、また全面通行止めとさせていただき、木材部をすべて撤去して新材に交換する予定となっております。
4月11日から一般開放される、ピカピカになった2つの透かし橋を是非渡っていただき、五大堂観光を楽しんでいただければと思います。
今年度も昨年度同様、皆様方の透かし橋補修工事に対する御理解、御協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。
写真上部:第2橋完成写真
写真下段:第3橋完成写真
令和6年3月度
工事部 高橋
2月度は、第3橋については、1月に撤去した木材部に隠れていた鋼材部の補修、塗装を行った後、新しい木材での組立作業を行いました。写真のとおり組立作業はほぼ完了し、高欄と呼ばれる手摺部の塗装と、擬宝珠、笠金物を取り付けて第3橋の補修作業は完了します。また、真ん中の第2橋も既設木材の解体が完了し、鋼材部の補修、塗装までは完了しました。いよいよ3月末には第2橋、第3橋ともに補修作業が完了し、4月10日のバリケード撤去、一般開放を待つばかりとなります。
観光のため松島へ訪れる方々には大変申し訳ありませんが、透かし橋及び五大堂へはまだ行くことができませんので、遠景での写真撮影となりますこと、何卒御了承願います。引き続きまして皆様の御理解、御協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。
写真上部:第2橋鋼材部塗装完了
写真中段:第3橋木材部組立状況
写真下段:第3橋木材部組立完了
令和6年2月度
工事部 高橋
1月度は、1月9日より透かし橋を全面通行止めとさせていただき、まずは最も五大堂側の第3橋から、透かし橋の上側を構成している木材部を全て撤去しました。木材撤去完了後、木材で隠れていた鋼材部の補修及び再塗装を行い、2月度から宮大工さん達による新しい木材での橋梁の組立作業がいよいよ始まります。
また、3つの橋の内、真ん中の第2橋も既設木材の解体が1月下旬に完了し、来月の第3橋組立が完了し次第、こちらも組立作業が始まります。
観光のため松島へ訪れる方々には大変申し訳ありませんが、透かし橋及び五大堂へは、4月10日頃までは行くことができなくなりますので御了承願います。引き続きまして皆様の御理解、御協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。
写真上部:通行止め状況(五大堂・透かし橋への入口)
写真中段:第3橋木材部解体状況
写真下段:第3橋木材部解体完了
令和6年1月度
工事部 高橋
概要
工事概要 … 本工事は、五大堂に架かる透橋の橋梁補修工事です。
工事番号 … 令和5年度県債松島公園1-001号
工事名 … 五大堂第1橋梁(透橋)等補修工事
工事場所 … 宮城郡松島町松島字町内地内
工 期 … 自)令和05年05月19日
至)令和07年03月31日
発注者 … 宮城県
請負者 … 津田海運株式会社
所在地 … 宮城郡松島町松島字道珍浜38-1(現場事務所)
連絡先 … TEL:0225-23-0181(工事部)